「時制」と言うと堅苦しくて、難しい印象を受けてしまいますが、一度理解してしまえば、それほど難しいことではありません。
言おうとしていることが、過去のことなのか、現在のことなのか、未来のことなのかをわかるように伝えてあげるための形が決まっているだけです。
数多くの動詞の現在形、過去形、過去分詞形を覚える方が1000倍大変なので、構えずに学んでいきましょう。
ご存知の通り、基本的な時間の表現には ①現在 ②過去 ③未来 の3種類がありますね。そして、それぞれの時間表現に対して、Ⅰ.基本形 Ⅱ.進行形 Ⅲ.完了形 Ⅳ.完了進行形の4種類の表現があるので、3×4=12通りの表現方法があります。
12通りというと少し多く感じるかもしれませんが、ベースの”現在”を表す4種類を理解してしまえば、あとは基本的に同じことです。
基本形、進行形まではわかりやすいので、さらっと復習すれば問題ないと思います。ポイントは完了形ですね。完了形さえ理解すれば、時制はOKです。
それでは、まず「現在」の時制から確認していきましょう。
現在
■現在形
現在の習慣的・反復的動作や現在の状態、変わることのない真理・事実を表します。今現時点で行っている動作を表現するのは「進行形」になるので、そこが日本語とニュアンスが違いますね。現在形という言葉は頭の片隅に追いやって、英語とイメージを直接結び付けるように学習するといいと思います。
I always drink a glass of water first when I wake up in the morning.
私はいつも朝起きたら最初に一杯の水を飲むよ
The apple falls from the tree.
リンゴは木から落ちる
■現在進行形 be動詞 + ~ing
今現時点で行っている動作を表現します。
I am drinking water now.
今、水を飲んでいます
■現在完了形 have/has + 過去分詞
「完了形」という聞き慣れない名前がいまいちピンとこないですよね。完了というと「既に終わった状態を表す⁉」から過去の状態の表現を連想してしまいそうですが、実際は、過去の出来事が現在につながっている状態を表しています。
つまり、過去形は過去の一時点の出来事を言っていて、現在は関係ないのに対して、完了形は過去の出来事が現在まで続いている状態を表すのです。
文法で覚えるのはちょっと難しいという人は、haveは「~を持っている」という動詞なので、過去分詞の状態を持っている=過去分詞の状態が続いているというイメージを持てば、わかりやすいのではないかと思います。
I have just heard the news.
ちょうどその知らせを聞いたところです
I have never been abroad.
私は1度も海外に行ったことがありません
How long have you been in Japan?
日本にどのくらいいますか
An app called Zoom has become popular recently.
最近、zoomっていうアプリが人気になってるね
■現在完了進行形 have/has + been + ~ing
「ずっと~し続けている」の意味で、現在までの動作の継続を表すのですが、完了形も同じことを言ってなかったっけ?となったら理解が進んでいる証拠です。
完了進行形は完了形の動作の継続を強調しているに過ぎないのです。完了進行形をあえて使う必要はありませんので、少ない脳のリソースを節約して(笑)、まずは完了形を使うことに集中していきましょう。
一応、相手が使うことを考えて、例文を載せておきます。
He has been watching TV since this morning.
彼は今朝からテレビを見続けています
She has been waiting for you 30 minutes.
彼女はあなたを30分待っていますよ
完了形のイメージはつかめたでしょうか。矢印で時間の関係を描いてみるとわかりやすいですよ。過去も未来も同様の関係性になりますので、一緒に描くと下の図のような関係になります。頭に入れておいて下さいね。

過去
過去を表現する場合は、動詞・be動詞・haveを過去形にするだけです。
■過去形
過去の一時点の動作や状態だったり、習慣的・反復的な動作を表します。
I drank water first thing in the morning yesterday.
昨日、朝一番に水を飲んだ
I sometimes drank water first thing in the morning.
ときどき朝一番に水を飲んだ
■過去進行形 was/ware + ~ing
過去のある一時点で行っていた動作を表現します。
I was running around 7 a.m.
午前7時ごろ走っていたよ
■過去完了形 had + 過去分詞
現在完了形の”現在”の時点が”過去のある一時点”になります。したがって、更に過去の時点から”過去のある一時点”までその状態・動作が続いていることを表します。
I had lived in Tokyo for three years before she came there.
彼女が東京に来る前に私は3年間東京に住んでいました
I had never seen such a great view until that time.
私はその時までこんなにすごい景色を見たことがありませんでした
By the time we arrived at the station, the train had already left.
私たちが駅に着くまでに、電車はすでに出発していた
■過去完了進行形 had + been + ~ing
現在完了進行形の”現在”が”過去のある一時点”に変わって「ずっと~し続けていた」を表します。
We had been playing baseball for an hour when it started to rain.
雨が降り始めたとき、私たちは1時間野球をしていました
He had been looking for this book before I arrived at the office.
私が事務所に着く前、彼はこの本を探していました
未来
未来を表現する場合も、基本的な考え方は同じですが、動詞に未来形というのがないので、少し変化があります。
■未来形 will, be going to
「will」はその場で決めたこと、「be going to」は以前から予定していたことや近い未来の予測、で使います。
We will get back to you as soon as possible.
できるだけ早くご連絡します
I’m going to talk about the agenda now.
今から議題についてお話します
■未来進行形 will be ~ing
未来のある一時点で行われているであろう動作や確定している未来の予定を表します。
I will be drinking water first tomorrow morning.
明日の朝一番に水を飲んでいるだろう
■未来完了形 will have + 過去分詞
現在完了形・過去完了形と同様で、未来のある一時点において、そこから過去のある時点から続いている動作や状態を表します。
I’ll have seen the comic five times if I see it again.
もう一度見たら、その漫画を5回見たことになる。
未来完了進行形はあまり使われることはなく、未来完了形でOKなので省略。
以上、時制を解説しましたが、いかがでしたでしょうか。一度理解しておけば、バック・トゥ・ザ・フューチャーの気分ですよね(笑)。最後にもう一度、関係図を載せておきますので、イメージを焼き付けておいて下さい!
